
私が人から褒められるような事がそれまでなかったからだろうと思うけど、お父さんは凄く嬉そうだった。
早朝6時使い慣れないIHのキッチンでポーチドエッグ用のお湯を沸かしながら器を選んだり、自宅から持って来たパルメザンチーズを出したりしていると・・・ふと「まりちゃんなかなかしゃれた料理を作るね〜」とお父さんが言った気がした。
うちの実家の食卓ははっきり言って全然お洒落ではなかった、小さい頃はそれが嫌でお洒落な友達の家の食卓を羨んでは「大人になったら毎日お洒落な物を食べよう」と思っていた。
あの頃に比べると随分好みは変わって来たけど今でもきれいな食卓は良いなと思う、きれいと言うのは食べ物や食べる事を尊重していると言う意味で。
昨日・今日とお料理をお出しした中で春人参のスープが好評だった。
料理を終えすっかりくたびれた私は二階の母の寝室にりんと二人で昼寝をしに行った。
枕元の台を見ると父と母と兄と私が四人で写っている写真が飾ってあって、胸がギューっと苦しくなった。
この部屋で母は毎晩一人で眠っているんだな〜その時にこの写真を時々見ては四人で暮らしていた時の事を思い出したりしているのだろうか?
そんな事を思いながらうつらうつらしたせいかおかしな夢を見た。
私の体が枯れていくからと慌てて人参を食べているのだ・・・・・「命を食べなくては!」と思いながら、だけど手にした細切りの人参は私の手の中でシワシワに干からびてしまって「ああもうダメだ・・・・・」と思った所で目が覚めたのだった。
目が覚めてもしばらくはじんわりと冷や汗みたいな物をかいていてどきどきしていた。
父が亡くなってから色々な常識的な考えが怪しく思える。
百年って聞いたら私達は凄く長い時間だと思うけど、実は凄く大きな物から見たら私達の百年なんてほんの一時間くらいで・・・・江戸時代なんてほんの数時間前の出来事なのかも。
時々そんな事をぼんやりと考える、その先も色々と考えるけど結局答えが見つからないまま頭の中がもじゃもじゃになって終わるのだ。











































